◆数学って何の役に立つの◆


 数学は何の役に立つのでしょうか。よく耳にする質問です。
 
 私はよく数学はすべての学問の基礎であるとよく言いますが、あまり理解されていないのではないかという気がしています。数学という学問(というより教科)には、いろんなものが含まれています。それをきちんと区別しないといけません。
 
 普通一般の人が、暮らしていく上では、数学というほどのものは、あまり必要ないかも知れません。それこそ、四則計算ができれば、生活に困るということはないと思います。別に、これがすべての学問の基礎というわけでもないでしょう。数学の基礎ではあると思いますが。
 
 整数論のようなものはどうでしょう。これは、数字の不思議、数学的神秘主義につながるものでしょう。いわば知的好奇心を刺激するものといってもよいのではないでしょうか。これは、学問の始まりであるかも知れません。
 
 しかし、私が考えているのは、そうしたものではありません。いつも言っていることですが、数学という学問は、抽象化された最も純粋な論理の世界を扱っているということです。そうした論理、言い換えれば考え方を学び訓練するのが、数学だと言うことです。
 
 プラトンは、幾何学を重要視しました。それは、何よりも幾何学的論理を大切にしたということです。その考え方を基本としたということです。正しく考えることの基本、論理的に考えるために最もよい訓練法は、幾何学を学ぶことであったのです。
 
 新しい数学が出てくるということは、新しい考え方が出てくるということです。新しい考え方が出てくれば、新しい学問も生まれてくるでしょう。数学が、すべての学問の基礎であるというのは、そういうことを言っているのです。
 
 科学の基礎といっているだけではありません。文科系を含めたすべての学問の基礎だといっているのです。文学、詩や音楽も、学問的に扱うときにも、そうした考え方は必要になってくると思います。(ただ高等数学は必要ないかも知れませんが)