2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

9月もはや終わりです。何か時間の経つのがはやい気がして仕方がないのですが、皆さんはどうお感じですか。 最近、数学史の掲示板に少し書き込みがあって、零や黄金比などについて調べてみる機会がありました。 なかなか面白い分野だと思いますので、興味の…

◆零の歴史◆

最近、数学史の掲示板に「零について」教えてくれませんかというような投稿がありましたので、今回から、「A history of Zero」でも訳してみようかなと思いました。結構量がありますので、1回や2回では訳しきれないと思いますが、まあよろしくお願いします…

◆バクシャリ写本・ペルシア◆

バクシャリ写本 この時期に何らかの優れた内容を持つ別の著作として、バクシャーリー写本があります。この著作は、起源と年代とは不確かであるのですが、算術と代数との両方に関する資料を含んでいます。以前、それは私たちの時代の初期の頃のものとされまし…

◆ノートル・ダムのオルガヌム◆

◆ノートル・ダムのオルガヌム◆ リガトゥーラが、今や、メリスマ音楽や器楽音楽で主として用いられるようになっていました。リガトゥーラは、この時期、--「ノートル・ダム・ポリフォニー」--というフランスの聖堂音楽の傑出した巨匠、レオニヌスとペロティヌ…

グレゴリオ聖歌の変容(その2)

続唱の歴史 続唱の作者として有名なのは、ザンクト・ガレンの修道士ノトケルで、880年に発表したとされる「リベル・イムノルム(賛歌の書)」には、33のプローズが集められています。以後12世紀にかけて一世を風靡し盛んに創作されました。 しかし、16…

グレゴリオ聖歌の変容(その1)

キリスト教の音楽が楽譜として残るようになるのは、9世紀半ば以降のことです。 トロープス すでに存在する聖歌の旋律に新しい歌詞を書き加えたり、そのために旋律の一部をくり返してより長い歌詞を付けたり、さらに新しい旋律を新しい歌詞付きで挿入したり…

ローマ教会とグレゴリオ聖歌の成立(その5)

ラテン語による聖歌の伝統 シャルルマーニュ(カール大帝)が、ローマ教皇公認の聖歌を歌うことを奨励し、時に強制した結果、それ以前の伝統的ラテン系聖歌は姿を消していきます。 グレゴリオ聖歌以前のローマ起源の聖歌である古ローマ聖歌であるとか、ガリ…

ローマ教会とグレゴリオ聖歌の成立(その4)

聖歌の楽譜 9世紀半ばから聖歌の旋律を書き留める様々な工夫がなされるようになります。ネウマ譜として知られているものですが、初期には言葉のアクセントやニュアンスを表記する傾向がありました。地方差が大きく、各地で独自に発展していたことがわかりま…

ローマ教会とグレゴリオ聖歌の成立(その3)

全ヨーロッパへの宣教の広がり イベリア半島は、数世紀にわたってイスラムの支配が続きますが、そこでキリスト教を守る人々は、「アラブの中のキリスト教徒」と言う意味で「モサラベ」と呼ばれます。 5・6世紀は、アイルランド出身の修道士たちの活動が目…

ローマ教会とグレゴリオ聖歌の成立(その2)

アウグスティヌスの音楽論 アンブロシウスの弟子、アウグスティヌスは音楽に非常な関心を示しています。 神を賛美することの大切さを説き、詩編を引用しながら一連の説教を行っています。「詩編講解(Enarrationes in psalmus)」にまとめられていて、貴重な資…

ローマ教会とグレゴリオ聖歌の成立(その1)

ギリシアからローマに伝えられたキリスト教は、さらにヨーロッパ各地に伝播していきます。その共通語としてラテン語が用いられました。 最初は、ローマ典礼、ミラノ典礼、ガリア典礼、ケルト典礼などの多種多様な典礼が発展していました。 聖ヒエロニムスが…

初期キリスト教会の音楽(その4)

アルメニアとグルジアの教会 歴史上最初のキリスト教国家は、アルメニアです。 国王ディリダテス3世が、301年に改宗します。 9世紀以降、アルメニア独特の楽譜が現れますが、正確に音程を記すようなものではなく、節回しやアクセントの付け方を示したも…

初期キリスト教会の音楽(その3)

迫害と分裂 キリスト教徒に対する迫害は、教会形成期からすでに始まっており、ステパノ(ステファヌス)が最初の殉教者となりますが、本格的迫害は、ローマに伝えられてからで、64年に発生したローマの大火を口実に行った皇帝ネロの迫害に始まるとされてい…

初期キリスト教会の音楽(その2)

初期キリスト教会の伝統 今日なお、それぞれの伝統を守り続けている例があります。 西シリアのヤコブ派教会(シリア正教会)では、アラム語の聖歌が歌われています。 アルメニア教会の聖歌は、古アルメニア語。 南エジプトのコプト教会は、アラビア語。 エチ…

8月もいよいよ終わり。このところ、秋風が感じられるようになってきたような気もしますが、まだまだ、暑い今日この頃。涼しくなってから暑さの疲れがどっと出るという話もあります。 お身体、くれぐれもご自愛のほど。

◆Google More◆

◆Google More◆ CNET Japanに、 Googleの「Writely」がトップ--オンラインワープロアプリの比較評価 なんて記事があり、 「この3月にGoogleに買収されて以来、新規ユーザーの受付を停止していたオンラインワープロアプリの「Writely」が、昨晩あたりからまた…

◆マハーヴィーラの著作◆

◆マハーヴィーラの著作◆ 著作(ガニタ・サーラ・サングラハ)自体は9章からなっています。第1章は序論(導入)で、主として用いられる単位、演算、数え方(命数)、負の数と零に言及しています。8つの数の演算法が与えられていますが、加法(級数を除く)と…

◆音価の測定◆

◆音価の測定◆ ディスカントゥス(Discantus)の著者は、他の点でまた、私たちに有益な情報を与えてくれています。例えば、彼は、まだ、三度を不協和音とみなしている一方で、恐らく、彼に非常に近い同時代人であろうと思われる 「定量音楽の様々な技法について…