◆An English Ladymass◆


◆An English Ladymass◆
 
 「聖母マリアの奇蹟の物語は、中世後期から数が増えてくる。聖母マリアの御子イエス・キリストにとりなす力は、明らかに無限の力である。人殺し、盗人、あらゆる罪人たちは、自らの罪に相応しい罰から救われようと、聖母マリアの方にやってきた。聖母マリアは、天国への鍵であった。--慈悲深いマリアは、必ず、道を過った子供を密かに天国へと導いてくれるだろう。聖母マリアへの崇拝は強いものがあった。
 
 13世紀には、聖母へのミサ、レディミサが、サリスベリー大聖堂のレディ・チャペルで、日々執り行われた。ほとんどの大きな教会には、レディ・チャペルがあり、そうした請願のためのミサが、サリスベリーのように毎日、あるいは日曜日、また、特にマリアに捧げられた日に行われた。
 
 この時代から保存されているイギリスのポリフォニー、そのほとんどは教会のためのものであるが、大雑把に言って、その3分の2は聖母のためのものである。その音楽の多くは、レディ・ミサの中で、何らかの役割を果たしていた。このCDの録音に際して、典礼用のポリフォニーと単旋律聖歌とを、13世紀及び14世紀初期の他の祈りの曲とともに、新たなレディ・ミサを創作するために使用した。」
 
 これは、「Anonymous 4」という1986年に結成された中世音楽の発見・演奏を目的としたヴォーカル・カルテットの「An English Ladymass」というタイトルのCDの解説の最初の部分です。
 
 「The Concise Oxford History of Music」を読んでいて、Anonymuos IV という人物が出てきましたので、思い出したので書いて見ました。最近の活動状況については知らないのですが。