◆アッシリア(その2)◆


アッシリア(その2)◆ 
 
 アシュルナシルパル2世(BC884-859)の時代、典型的にアッシリア的であるのは、大英博物館にあるニルムード出土の浮き彫りです。二人の男がプレクトラムでハープを演奏し、もう一人が小さな太鼓を演奏しているのが描かれています。
 
 リュートの類の楽器は、アッシリア芸術に現れるのは、きわめてまれです。打楽器について言えば、ブロンズ製のシンバルと鐘--鐘は、馬具や聖職者の祭服に付属するもののようで、厳密には楽器ではありませんが--そしてカスタネットなどの大コレクションが、大英博物館にあります。
 
 センナケリプ王の時代には、特に興味深い浮き彫りが大英博物館にあります。二人のトランペット奏者が描かれているのですが、一人は、巨大な彫像を動かしている男たちに合図としてトランペットを吹き、もう一人は、手にその楽器を持っているものです。それは、カファジェ出土の断片やビスマヤの花瓶に描かれているタイプの円錐形の管で、エジプトのトランペットとは全く似ていません。
 
 最も豊富に図像を持っているのは、アシュルバニパル王(BC668-626)の時代のものです。中でも有名なのは、アッシリア人の音楽家ではなく、エラム人の音楽家です。征服されたスサ王、テウムマンの宮廷音楽家たちが、新しい王に挨拶のためにやって来ている絵です。
 
 7つあるおよそ20弦の垂直型ハープは、男女によって演奏されていますが、ただ一つ水平型ハープがあります。一人の男と一人の女がダブル・パイプを演奏し、もう一人、女の人が太鼓をたたいています。これは、メソポタミア芸術に現れた、最も大きな器楽アンサンブルであり、演奏者の後ろには、6人の女性と9人の子供たちの合唱隊が続いています。