◆ダニエル書第三章◆


◆ダニエル書第三章◆
 
 「諸国、諸族、諸国語の者よ、あなた方にこう命じられる。角笛、横笛、琴、三角琴、立琴、風琴などのもろもろの楽器の音を聞くときは・・・」
 (1955年改訳版)
 
 上の音楽史で引用した「ダニエル書第三章」からの部分の日本語訳です。
 
 この時期は、有名なバビロン捕囚の時代ですね。第三章では、ネブカドネザル王の立てた金の像を拝まなかったユダヤ人三人(シャデラク、メシャク、アベデゴネ)が火の燃えさかる炉の中に投げ込まれるのですが、神の御加護により何の害もなく火の中から出て来て、王を驚かせた話が語られています。
 
 琴と訳されているのがキタラ、リラで、三角琴が水平型ハープ、立琴が垂直型ハープということになりましょうか。具体的なイメージの沸かない人は、「人間と音楽の歴史」(音楽の友社)のエジプトとメソポタミアを読んでみるといいと思います。
 
 主だった実物の楽器や絵画、レリーフの写真が見られるでしょう。スサ、テウムマンの楽団も載っています。ネブカドネザル王の時代は、それよりおよそ1世紀後の時代ですが、おおよその感じはつかめるのではないでしょうか。どんな音楽が鳴り響いていたかは永遠の謎ですが、少なくとも西洋音楽とは随分異なっていたことでしょう。