◆ピュタゴラス音律◆


ピュタゴラス音律◆
 
 前回の音楽史で、分離型テトラコードが現代の西洋の音階の基礎になっているとお話しました。
 
 そこで、今回、ピュタゴラス音律でのテトラコードの弦の長さの比を考えてみることにします。同じ太さの弦をその比率で張れば、簡単にオクターヴ音階が得られるでしょう。
 
 テトラコードは完全4度ですから、その弦の比率は、3:4になります。全音は、8:9の比率ですから、第2弦は 3 x 9/8 = 27/8 = 3.375 です。同じく第3弦は 27/8 x 9/8 = 243/64 = 3.796875 です。
 
 第4弦と第5弦は全音で繋ぎますので、第5弦は、4 x 9/8 = 9/2 = 4.5 です。これが第二のテトラコードの一番上の音で、第1弦との比率は、2:3となり、完全5度の音程ですね。下のテトラコードの一番下の音、つまり第8弦は、9/2 x 4/3 = 6 となって、ちょうど第1弦の二倍、つまり1オクターヴ下の音になるわけです。
 
 第6弦は、9/2 x 9/8 = 81/16 = 5.0625、第7弦は、81/16 x 9/8 = 729/128 = 5.6953125 になります。これで、全音階のゲノスのドリア旋法による1オクターヴ音階ができあがりました。
 
 音程は、全全半全全全半ですから、普通の階名で読みますと「ミレドシラソファミ」ということになりますか。同じようにして、「ドレミファソラシド」となるように弦を張ってみてはいかがでしょう。結構楽しかったりします。