◆ギリシア--BC4世紀◆


ギリシア--BC4世紀◆ 
 
 BC5世紀後半から、すでに古典様式の音楽が衰退し始め、民衆的な劇場音楽が進展するにつれて、詩人・音楽家たちは、バランスのとれた詩を創造するというより、むしろ直接的な楽しみ、快楽を与えようとするようになります。
 
 また、創造力が減退し、演奏の質がこれまでになく強調され、BC4世紀からは、音楽家たちは自ら作曲家としてより演奏家とみなすようになり、よく知られた曲の再編曲やパロディに熱中するようになります。
 
 BC4世紀のギリシア音楽についての情報だけでなく、音楽全般について、最も影響を及ぼしたのは、プラトンとアリストクセノスです。ギリシアの音楽は、わずかな断片を除いて失われてしまいましたが、プラトンの思想とアリストクセノスの理論的著作は、何世紀にもわたって影響を及ぼし続けました。
 
 プラトンは、ピュタゴラス派の人々とペリクレスの弟子、オアのダモンから音楽の数学的基礎的概念と音楽の倫理上の重要性とを受け継ぎました。
 
 それは、プラトンの著作の中でも、特に「国家」と「法律」の中に書かれています。そのため、私たちは音楽の倫理的治癒力という観点、教育における音楽の重要性と役割についてよく知ることとなったのです。
 
 次回は、そのプラトンについて触れることにしましょう。