◆アリスタイオス◆
◆アリスタイオス◆
数学史で取り上げたアリスタイオスについて、少し補足しておきます。
年長のアリスタイオス(Aristaeus the Elder)として一般には知られており、恐らくユークリッド(ウエクレイデス)より少し前か同時代人のように思えます。実際には、パップスが年長のアリスタイオスとして言及していること以外に彼の生涯について何も知られていません。と言うことは、後の時代に別のアリスタイオスという数学者がいたと思われるのですが、そのような記録はありません。
パップスは、「Solid Loci(立体の軌跡?)に関する5書」を書いたとしているのですが、今では失われてしまいました。'Solid loci'というのは、円錐曲線を表すギリシア語ですので、後の著述家によって「円錐曲線に関する5書」というアリスタイオスによる別の著作に言及があることは紛らわしいのですが、今日では、この二つは同じものであると考えられています。
パップスは、その著作を「円錐曲線と関連した立体の軌跡の5書」と描写しています。また、ユークリッドが彼の論文「円錐曲線」の中で、初等的な円錐曲線に関するものを編集し、一方、アリスタイオスのものは、遙かに深く、独創的で専門的なものだと語っています。
アリスタイオスに言及しているもう一つの著作は、ヒュプシクレス(Hypsicles)の著作です。そこでは、アリスタイオスを「5つの正多面体の比較に関する」書物の著者として言及しています。これについては、いろいろと議論があるようです。
円錐曲線に関するアリスタイオスとユークリッド(エウクレイデス)の著作は、およそ200年後、アポロニオスによってさらに発展させられます。
参考
http://www-history.mcs.st-andrews.ac.uk/history/Mathematicians/Aristaeus.html