◆涅槃会◆


 (このところ、このメルマガのために独自に随想を書くことがなかなか困難になって、今回も「Maiharaの戯言」からの転載です。多少書き換えたところもありますが。)

 ◆涅槃会◆

 今日2月15日は涅槃会という。

 「あなたの宗教は?」と問われれば、「仏教です。」と答えることにしているわりには、仏教のことはほとんど知らない。まあ、「葬式は仏式でします」という意味の「仏教徒」だから仕方がないが。(日本は、仏教徒というと「お寺さんですか?」と言われるほど世俗化した社会ではあるが)

 釈迦(釈尊)に関する三大行事(三大法会=三仏忌)の一つと言うことであるが、では「三大法会は?」と問われても答えることができない。

 それは、仏生会(誕生会=花まつり)、成道会、涅槃会だという。

 仏生会は誕生を祝う、成道会は悟りを開いたことを記念する、涅槃会は、お釈迦様の入滅を記念する法要を行う日だそう。(成道会については、前に少し書いた)

 そして、今日が、その涅槃会 - お釈迦様の入滅を記念する日 - というわけである。

 日本では推古天皇の時代、奈良の元興寺(がんごうじ)で行われたのが最初で、やがて全国の寺院に広まっていったそうだ。「涅槃」というのは、サンスクリット語ニルヴァーナ(nirvana)を音写したもので、漢訳では、寂滅、寂静、不生不滅などと訳された。涅槃には、「さとり」(証、悟、覚)と同じ意味があるが、もとのサンスクリット語ニルヴァーナは、「吹き消すこと」「吹き消した状態」を意味することから、煩悩(ぼんのう)の炎を吹き消した悟りの状態をいう。そこで、滅とか寂滅とか訳された。一般には、釈迦の入滅をさすことばとしても使われている。

 伝承によれば、お釈迦様は、クシナガラにある沙羅双樹(さらそうじゅ)のもとで、頭を北にし右脇を下にした形で亡くなられたという。八十歳の生涯だった。仏式では亡くなると北枕にして寝かせるが、それはこれに習ったからだそうだ。

 この日、各寺院では「涅槃図」を掲げ、『遺教経(ゆいきょうぎょう)』(釈迦の最後の説法を記した経)などを読誦する。

 釈迦入滅の日は、日本では陰暦2月15日だと伝えられているので、現在では3月15日に行うところも多いらしい。南方の国では5月の満月の日に行われるということである。

 涅槃会にちなんでお寺や各家で昔から団子をつくったり、お寺では、お釈迦さまに花団子などを供え、お参リの人に配ったリするる地方があるそうだが、私は聞いたことがなく、こちらではそういう風習はなかったのかなと思ったりする。(知らないだけかも知れないが)

 山寺や涅槃図かけて僧一人 星野立子