◆花まつり(灌仏会)◆
(さて、今回も「Maiharaの戯言」からの転載。)
◆花まつり(灌仏会)◆
さて、今日は4月8日花まつり。お釈迦様の誕生日というわけである。といっても、キリスト教のクリスマスのように盛んに行われているふうでもないし、知られているわけでもない。(私が知らないだけという話もあるが)
「クリスマス」と「花まつり」の行事の知名度だけからみれば、日本は仏教と言うよりはキリスト教の国かも知れないと思ってしまうが、信者の数からいえば(と言うより、実質は葬式を何の宗教で行うかということだろうが)仏教の方が圧倒的に多いだろう。
かつては、結婚式は神前で、葬式は仏式というのがかなり定着していたような気がするが、こんなところにも神仏混交が見られるような気がする。ただ、最近は結婚式は教会で、お葬式は仏式でというのがかなり増えて来ているような気がしないでもない。もちろん、仏前結婚もあれば、神道のお葬式もあるにはあるだろうが、一般にはそれほど馴染みがあるとは言えない。
何か話がそれているが、私は子供のときに「花まつり」というのを聞いた記憶がないのだが、私の住んでいる地域は、「灌頂」というのがあって、恐らくそれがこの花まつりに相当する行事ではないのかなと思っている。ただ正確なことは分からない。先祖代々の供養をする日だから、関係ないのかも知れないが、「灌頂」という言葉は「梵 abhieka; abhiecana の訳。古くインドで、国王の即位、または立太子の際、頭頂に水を注いだ儀式から転じたもの」ということからして、花まつりと関係しているような気はしている。毎年日は変わるが、だいたい5月の初め頃。一月遅れの「花まつり」といえないこともない。
まあ、地域それぞれで特色のある行事が行われているということだろう。
「花まつり」については、こんなサイトがあるので興味があればどうぞ。
甘茶を仏像にかける「花祭り」って何だ?
花祭りについて
これによると、
「春の花祭りは「花の日」「春山入り」とも呼ばれた。これは、祖先の霊をまつったり、山に登って摘んだ花を竹の先につけて庭に立て、山の神様を里に迎え入れる、というアニミズム的な土俗信仰であった。」
「民間行事の花祭りは花の日とか春山入りとも呼ばれ、この日にお墓参りをしたり、山に登って花(石楠花が多い)を摘み、それを長い竹の先につけて庭に立て、これによって山の神様を里に迎え入れるとします。一般に日本では山の神様が春に里に下りてきて田の神様となり(さおり)、田の神様が秋には山に帰って山の神様となる(さのぼり)という基盤的な信仰が存在しました。またこの時期は桜を愛でる花見の季節でもあります。」
ということのようだ。先祖代々の供養をするというのはこうした関連かも知れない。前に書いたと思うが、先祖崇拝は仏教の教えというわけではないという。
それが、釈迦誕生を記念する「灌仏会」と結びついたらしい。「灌仏会」が「花まつり」と呼ばれるようになったのは明治以降のことらしいから、比較的新しいことではあるようだ。
灌仏会は、お釈迦様誕生の出来事を記念したもので、インドでは古くから行われていたという。中国では4世紀後趙の石勒が4月8日に行なった記録が残り、日本では推古天皇14年(606)に行なったことが記されているそうだが。