◆零の歴史(その6)◆


 ◆零の歴史(その6)

 ブラフマグプタは、7世紀に、零と負の数を含む算術の規則を与えようとしました。彼は、ある数が与えられ、その数をその数から引くと零になると説明しています。彼は、零を含む次の足し算の規則を与えています。

 零と負の数を足すと負の数になり、正の数と零を足すと正の数になる。零に零を足すと零である。

 引き算は少し難しいです。

 零から負の数を引くと正の数になり、零から正の数を引くと負の数になる。負の数から零を引くと負の数になり、正の数から零を引くと正の数である。零から零を引くと零である。

 それから、ブラフマグプタは、こう言っています。零をかけるとどんな数も零になるが、割り算になるともう苦闘である。

 正の数も負の数も零で割られると、分母が零の分数になる。負の数や正の数で零を割ると、零あるいは分子が零になる分数として表され分母は無限の量となる。零を零で割ると零である。

 本当は、ブラフマグプタが、nを零で割ると n/0になると言うとき、彼はほとんど何も言っていないのと同じです。明らかに、彼はここでもがいていました。彼が、零を零で割ると零になると主張しているのは、確かに間違いです。しかし、それは、私たちが知る限り、算術を負の数や零にまで拡張しようとした最初の人物による輝かしい試みでありました。