◆フォヴェール物語◆


 ◆フォヴェール物語◆

 新しい音楽(アルス・ノヴァ)の最初の大きな資料は、パリ写本、Bibl.Nat.fr.146,「フォヴェール物語(Roman de Fauvel)」の豪華版です。その中で、mesire Chaillou de Pesstain や bailli d'Auvergne は、多くの文字や音楽の書き込みをして楽しんでいました。

「散文も韻文も、ラテン語もフランス語も、典礼のも祈りのも、教会のも世俗のも、モノフォニーもポリフォニーも、歌も歌のようなものも、借用されたものも新しく作曲されたものも、古いのも新しいのも、過去に生み出されたものも現在作られたものも、野獣、F[latterie](追従)、A[varice]吝嗇)、V[ilenie](卑しさ)、V[anite'](虚栄)(あるいは、Varie'te'(豹変))、E[nvie](嫉み)、L[achete'](臆病)のオリジナルの物語に合わせている。」

お話に歌を挿入する例は、13世紀にもありました。例えば、有名な「歌物語(chante-fable)」「オカッサンとニコレット(Aucassin et Nicolete)」。しかし、フォヴェールの160ほどの曲は、全く並はずれています。特に面白いのはモテトゥスです。そのいくつかは前の世紀の前半に年代付けられます。例えば、「Condicio nature defuit/O Nacio nephandi generis/Mane prima sabbati.」は、モンペリエ写本、H.196 の第4分冊(facs.4)の最初にあるモテトゥスです。それで、私たちは14世紀の10年代のフランスの宮廷臣たちにまだよく知られていた音楽の様子を面白く得ています。しかし、それは新しいスタイルのモテトゥスです。特に、確実にフィリップ・ドゥ・ヴィトリのものとされる5つに注意を向けることにしましょう。