◆アドヴェント◆


 ◆アドヴェント

 日本では、12月になると「師走」となり年末の慌ただしい季節の到来ですが、西洋では、アドヴェント・シーズン(待降節とか降臨節)の到来です。今年は、12月2日の日曜日がアドヴェントの最初の主日(日曜日)ですね。

 というわけで、今回は、そのアドヴェントについて少々。

 アドヴェントとは?

 アドヴェントというのは、ラテン語の「到来」とか「出現」とか言う意味の単語からできた言葉です。それは、我らが主イエス・キリストの誕生を準備をする期間です。アドヴェントは、クリスマスの4つ前の日曜日に始まり、クリスマス・シーズンの始まりの日です。それは、主の洗礼(公現祭:エピファニー)まで続きます。アドヴェントの最初の日曜日は、また、典礼暦(教会暦)の始まり、教会の「新年」を記念する日でもあります。

 アドヴェントは、期待に胸膨らませ歓びの時ですが、また悔い改めの時でもあり、偉大なクリスマスの祝祭の準備の期間でもあります。この季節(シーズン)の典礼の色は悔い改めの徴である紫色です。それは、レント(四旬節)の期間にも使われます。教会は、アドヴェントの間は静かな希望の雰囲気を醸成するために、過度の装飾や騒々しい音楽、さらには結婚式さえ避けます。

 「典礼暦年の起源(The Origins of the Liturgical Year)」の中で、トーマス・J・タリーは、380年のサラゴサ宗教会議の第4条の中にアドヴェント・シーズンの始まりを見ています。567年には、ツールでの宗教会議で、12月の断食が確立されます。そして、581年にメイコンの会議で、聖マルティヌスの祝祭日(11月11日)からクリスマスまで平信徒にアドヴェントの断食を命じました。このことから、聖マルティヌスのレントという名が付けられました。

 Richard P. McBrien編集の Harper Collins Encyclopedia of Catholicismによれば、ローマ教会のアドヴェントの真の創設者は、604年に亡くなったグレゴリウス大教皇です。グレゴリウスが4週間の季節を定め、その季節の祈りとアンティフォンを作りました。ガリア(フランス)では、その季節は、終末論的な要素で豊かにされました。古ローマとガリアとの典礼が融合し、12世紀までにローマの典礼となっています。