◆エジプト(その4)◆


◆エジプト(その4)◆
 
 BC1500年頃に、世界最古の日時計の遺物が年代づけられます。エジプトのものは、今はベルリン博物館にありますが、エジプト人は、原始的な日時計で時間を刻む優れた体系を発展させていたようです。
 
 この時計では、影は正午まで時間とともに短くなり、正午から夜にかけて長くなります。正午まで6時間、午後に6時間とってあり、この分割法から後にヨーロッパで採用された12時間制が生まれました。
 
 一方、ヘロドトス(BC484-425年)は、エジプトの神官たちから得た情報に触れて次のように述べています。
 
 「彼らはこう言っている。セソストリス(Sesostris)(ラムセス2世--1347年頃--のこと)もまた、住民たちにエジプトの土地を分配した。すべての人に大きさの等しい四角い区画の土地を割り当て、土地を持つ者たちは、毎年支払われる賃料で主な収入を得ていた。
 
 洪水で割り当てられた土地のいくらかが洗い流されてしまうと、その人は王の前に出て、起こった出来事を述べる。すると、王は調査に人を派遣し、測量し、正確な被害の程度(失われた土地)を決定する。その後、失われた土地の大きさに応じて賃料は要求された。
 
 こうした実用上から、幾何学は先ずエジプトで知られるようになり、そこからギリシアに伝わったと、私は考えている。しかし、グノモン(ノーモン)また、一日を12に分割するのは、バビロニア人からギリシア人が受け継いだものであった。」
 
 これによれば、日時計と12分割法はバビロニア起源ということになりますか。