◆中国◆


◆中国◆
 
 さて、今回から中国ですが、最近の中国古代の考古学の発見はめざましいものがありますね。ただ、数学史に関連するようなまとまった研究はまだこれからなのではないでしょうか。
 
 伝承によれば、中国最初の皇帝、伏義の時代に広く天文観測がなされたということです。また、黄帝は、天文学や算術について著述するほど数学に関心があったと言われていますし、彼の統治時代に日蝕が観測されています。十進法の数の数え方も、この時代に始まったという伝承もあります。堯の治世には、和と義が天文観測をしたとも言われています。
 
 古代起源の書物の中で、面白いのは「易経」でしょう。この書では、両易、すなわち、陰(--)と陽(ー)二つの原理が現れ、この二つから四象
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作られます。
 
 また、陰陽を一度に三つ組み合わせて八卦が作られます。この八卦にはいろいろな意味が付け加えられて、古代から現代に至るまで占いで用いられていることはご存じでしょう。
 
 日本人で八卦を知らない人はいないと思いますが、この八卦、ーを1、--を0と考えると、この連続した八卦は、右から数えて、現代の二進法の数記法で、000,001,010,011,100,101,110,111 で表される数値を持つことにお気づきでしょうか。中国人(日本人も含めて)が二進法に基づく数詞と八卦を見なしていたという歴史的根拠は全くありませんが。
 
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