◆中国(その2)◆


◆中国(その2)◆
 
 前回、八卦が二進法のヒントになったと言うことをお話しましたが、その八卦易経には、八卦は伏羲(キ)の治世、河の堤に現れた竜馬の足跡であったと書かれていますね。他に、易経の中で数学と関連するのは、河図と洛書でしょうか。洛書は、帝禹が黄河に漕ぎ出でたときに亀の背に描かれていたという一種の魔方陣です。
 
 さて、数学的であるとされる中国で最も古い文献は「周髀算経」でしょう。主として暦に関する文献ですが、棒を立てて影を測定するといった古代数学に関する情報が含まれています。とはいえ、秦の始皇帝焚書を経てきているので、最初に書かれたものとはかなり異なっているだろうということは容易に推察できるでしょう。
 
 そこから、いくつか抜粋してみましょう。
 
 数の術は、円と方形とからなる。
 直線を折って、幅3,長さ4とせよ。その線の端と端の長さは5になる。(直角三角形の辺ですね。)
 形は「円い」か「角い」かである。数は奇数か偶数かである。天は円の中を動き、それに付随する数は奇数である。地は方形に休らい、それに付随する数は偶数である。
 知を知るものは知者であるが、天を知るものは賢者である。知は影より来たり、影はグノモン(ノーモン)より来たる。