◆エウクレイデス(ユークリッド)◆


◆エウクレイデス(ユークリッド)◆
 
 さて、アレクサンドリアと結びつけられる偉大な人々の中で、先ず第一にエウクレイデス(ユークリッド)が挙げられます。彼は、世界がこれまで知っている中で、最も成功を収めた教科書の著者で、その幾何学の書は、1482年以来 1000版以上印刷されてきましたし、その著作の写本は、それに先立つ 1800年もの間、幾何学の教授を指導支配してきました。
 
 彼は、当時蓄積されていた数学的知識の本質的な部分をすべて自らの著作の中に体現させることができたという栄誉が与えられてきましたし、今でも与えることのできる唯一の人物です。
 
 彼の生涯についてはっきりしたことは分かっていません。彼は、ギリシア人であったかも知れませんし、エジプト人アレクサンドリアに学び教えに来ていたのかも知れません。
 
 彼がアテネで学んだだろうと信ずる理由がいくつかありますが、正確な情報という意味では、彼については何も分かっていません。彼が数学に影響を及ぼすようになるのは、BC300年頃からです。
 
 その時代、すべての著作は羊皮紙やパピルスのような細長い帯に書かれてきました。その一つ一つは巻(volumes)--ラテン語起源で巻くの意味--と呼ばれましたが、大きな巻物は扱いが困難であったため、書物を意味するビブリア(bibles)という小さな巻物に分けられました。そういうことから、私たちは、ホメロスの書、幾何学の書、聖なる書などを持っているのです。
 
 次回は、幾何学の書、彼の最も偉大な著作「幾何学原論(Elements)」についてお話することにします。