◆アリスタルコス◆


 ◆アリスタルコス◆
 
 今回は、エウクレイデス(ユークリッド)と同時代であろうと思われるマイナーな著述家についてお話します。
 
 先ずは、サモスのコノンという人がいます。彼は、アルキメデスがその特性を詳細に説明した螺旋形を発見したのではないかということです。アポロニウスも彼のことに触れていて、二つの円すい曲線の交点の数について研究したということです。
 
 キュレネのネイコテレス(Neicoteles)と言う人もいました。恐らくアレクサンドリアの学生で、アポロニウスは、彼のことを円錐曲線の先駆者であると言っています。
 
 そして、サモスの生まれですがアレクサンドリアで教師をしていた天文学者アリスタルコスがいました。ピュタゴラスの三角形で、地球から太陽と地球から月までの相対的な距離を見出す方法を最初に示したのは彼でした。その後およそ 2000年間それよりよい方法は発見されなかったのです。彼の時代の観測器具では、おおよそ正しいという結果からもかけ離れた結果しか得られませんでしたが。
 
 彼を最も有名にしているのは、宇宙の中心に太陽を置きその周りを地球その他の惑星が回っていると主張したことです。いわゆる地動説の最初ですね。科学的な根拠に基づく主張というよりは、世界観の表明という感じではありますが、それはコペルニクスに先立つこと実に 1700年のことでありました。
 
 しかし、彼らはやがて来たるべき天才の布告者に過ぎませんでした。彼らは到来を布告した天才とは、アルキメデス、アポロニウス、ヘロンのことですが。