◆アルキメデス◆


 ◆アルキメデス

 さて今回からアルキメデスです。アルキメデスはエラトステネスの友人でした。プルタルコスの証言を信じるなら、ヒエロ王と類縁関係にありました。ライプニッツは、彼の天才ぶりを賞賛して次のように語っています。「彼の著作とアポロニウスの著作を知ったものは、現代で最も偉大な学者たちを見出してもそれほど驚かないだろう。」

 アルキメデスは、2000年以上ニュートンやその同時代人の考えのいくつかを先取りしていましたし、機械学の応用においては、古代には彼に並ぶべきものはいませんでした。イタリアの数学史家の一人、バルディは、「人間と言うより神の才能を持っていた」と語っていますし、プリニウスは、彼のことを「幾何学の神」と呼んでいます。この言葉を訳したあるフランス人は、巧みにも「幾何学ホメロス」と表現(訳)しました。

 彼には、シラクサの港を包囲していた船に、集光器(反射鏡)を用い火を点けたというエピソードがありますが、また、プルタルコスは「マルケルスの生涯」の中で、アルキメデスの機械学の天才ぶりを示す出来事を記しています。「アルキメデスは・・・支点が与えられれば、どんな重さのものも動かすことができると語った。そして、こう自慢さえした。「もう一つ地球があれば、そこへ行って地球を動かすこともできる」と。」

 さらに、アルキメデスギリシアの数体系の欠点を見ていました。そこで、彼は「砂の計算法(Psammites)」に入念に計算の図を示し、数を8つずつ、すなわち10の8乗ずつに配置しました。この表の中で、本質的に a^m * a^n = a^(m+n)、現在の対数による演算の基礎となる法則を認めています。