◆天文学者の貢献◆


 ◆天文学者の貢献◆

 交通が、広くより自由に行われるようになるにつれて、ギリシアの地域で、エジプトやカルデアの神官天文学者の偉業が次第に多くの注意を引きつけるようになりました。BC2世紀は、星の研究の発展で注目に値する時代です。この世紀、二人の名が著しく目立っています。観察者としての著作のためだけでなく、数学的な才能のために。

 この天文学者の最初の者は、アレクサンドリアのヒュプシクレスです。彼は、エウクレイデス(ユークリッド)の「幾何学原論」の正多面体の七つの命題を含む、いわゆる、第14書を書いた人かも知れないのですが、彼は、また、多角数(polygonal numbers)、数列、そしてある不定方程式に興味を持っていました。しかし、彼の第一の関心は天文学でありました。彼の時代頃に、ギリシア人たちの間で、円を360度に分割することが、限定的に科学で用いられ始めます。これは、バビロニア人たちがすでに考え出していたものではありますが。

 もう一人は、主としてロードス島で仕事をしていたヒッパルコスで、天文学について、有名な著作を書いています。この著作のために、彼は、球面上で角や距離を測定する必要がありました。そして、そこから一種の球面三角法を発展させたのです。平面三角法は、まだ未発達の段階でしかなく、私たちが知っている限り、関数表はなかったのですが。

 ヒッパルコスは、明らかに三角法の学問を始めていました。彼とともに、またアガタルコス(BC470年頃)がすでに実用化していた幾何学の一分野、実体画法(stereographic)投影法(projection)の理論も始まります。ヒッパルコスは、それを赤道の平面上に天球を投影させた図を描く目的に使用しました。彼は、850の恒星のカタログを残しています。その数は、プトレマイオス(150年頃)が、1022に増やしてから、現代に至るまで、実質的にそれほど増えてはいません。