◆アーリヤバタの著作◆


 ◆アーリヤバタの著作◆

 アーリヤバタの著作は、しばしば、アーリヤバティーヤ(Aryabhatiya)とかアーリヤバティーヤム(Aryabhatiyam)と呼ばれていますが、ギーティカー(Gitika)あるいはダサギーティカー(Dasagitika)という天文表の集成とガニタ(Ganita)という算術の論文とを含むアーリヤースタサタ(Aryastasata)、時間とその測定に関するカーラクリヤー(Kalakriya)、そして、天球に関するゴラ(Gola)から成り立っています。

 その算術には、10の8乗までの十進数の記数法があり、平面数(plane numbers) と立体数(solid numbers) を扱い、平方根の規則が書かれています。また、著作の残りは、二次方程式不定一次方程式との知識があったことを示しています。

 面積に関する公式の多くは不正確なものであり、球の体積の公式は、πrr√πrrであり、それはπを16/9と等しいとしているようで、恐らく、16/9の二乗の間違いでしょう。

 πの値を求める方法は、次のようにされています。「100に4を加えよ。8をかけよ。そして再び62000を加えよ。その結果が、直径がおおよそ20000の円周の値である。」これは、πを 62832/20000、すなわち、3.1416としています。

アーリヤバタは、また、サイン(正弦)を求める方法も示しています。ギーティカーには、これらの関数の簡単な表も載せています。

 彼の著作は、また、連分数によって不定一次方程式の一般解を求めようとする最も初期の試みの一つを含んでいるものとして注目すべきものでもあります。

 先に述べたように、ここで言及しているアーリヤバタは、同名の二人の数学者のうち年上の人として知られている人です。この事実は、アルベルニ(Alberni)の著作の中に現れるもので、最近の著述家たちには、ずっと注釈のテーマとなってきました。若い方のアーリヤバタの年代は知られていませんし、その二人の著作を明確に区別することも、まだできていません。