◆モハメド・イブン・ムサ・アル・フワーリズミー◆


 ◆モハメド・イブン・ムサ・アル・フワーリズミー

 アル・マアムーンの宮廷で最も偉大な数学者は、モハンメド・イブン・ムサ・アル・フワーリズミー(Mohammed ibn Musa al-Khowarizmi)、今日のヒヴァ(Khiva)の都市のある国ホラズム(フワーリズム)(Khwarezm)生まれのアブ・アブダラー(Abu Abdallah)(835年と 845年との間に没す)でした。

天文学者であり、いくつかの天文表(astronomical tables)や日時計アストロラーベ年代記(chronology)に関する著作の著者ですが、彼はアルジェブラ(algebra=代数)」という名のついた最初の著作、ギリシアのモデルに基づいた論文を書いたことで最もよく知られています。また、算術についても書いています。この著作は、チェスターのロバート(Robert of Chester)あるいはバスのアデラート(Adelard of Bath)によって、「アルゴリトミ・デ・ヌーメロ・インドルム(Algoritmi de numero Indorum=インドの数の計算書)」というタイトルで、ラテン語に翻訳されています。

アルゴリズム(Algorism)やオーグリム(augrim)という言葉がアル・フワーリズミーに由来するというのは、そこからです。代数(algebra)の由来するタイトルは、「イルム・アルジャブル・ワル・ムカバラ(ilm al-jabr wa'l muqabalah)(約分と消約の学(計算の書)=the science of reduction and cancellation)」でした。アル・マアムーンの死後も、バグダードではおよそ一世紀半(150年)繁栄を続けました。予想されるように、幾分学問が奨励されることは少なくなりましたが。

 ところで、お気づきの方もいると思いますが、アル・マムンをアル・マアムーンとアラビア語の発音に近い表記に少し変えました。