2008-01-01から1年間の記事一覧

◆リトモマキア◆

◆リトモマキア◆ 前回、ヘルマヌスス・コントラクトゥスのところで、リトモマキアという数のゲームの話が出てきたのですが、11世紀と言えば、リトモマキア(rithmomachia)という数のゲームのことに触れなければならないでしょう。これに関する最も初期の論文…

◆フランチェスコ・ランディーニ◆

◆フランチェスコ・ランディーニ◆ フランスの影響は、トレチェント最大の巨匠、フィレンツェの盲目のオルガニスト、フランチェスコ・ランディーニ(Francesca Landini)(1335年 - 1397年)の作品の中で一層明らかになります。彼の作品の多くは、ポリフォニーのバ…

東京では、桜が満開に近いというニュースがあったりしますが、こちらでは、まだ3分から5分咲きというところでしょうか。今日は、珍しく冷たい雨が降っていたりします。 と言っても「花七日」という言葉があるように、一週間もすれば散ってしまうかも知れま…

◆ミカエル・コンスタンティヌス・プセッロス◆

◆ミカエル・コンスタンティヌス・プセッロス◆ 今回は、数学史でミカエル・コンスタンティヌス・プセッロス(Michael Constantine Psellus) (1018-c.1078) が出てきましたので、今日は、そのプセッロスを取り上げてみましょう。生没年が、本文と少しずれていま…

◆ミカエル・コンスタンティヌス・プセッロス◆

◆ミカエル・コンスタンティヌス・プセッロス◆ ゲルベルトの数学の弟子で最も優れた人は、パリのベルネリヌス(Bernerinus of Paris)でした。彼はゲルベルトの計算法を説明した算術を書いていますが、彼の生涯についてそれ以上のことは知られていません。 11…

◆トレチェント(14世紀)マドリガーレ◆

◆トレチェント(14世紀)マドリガーレ◆ イタリアの世俗ポリフォニーを含む最も初期の資料は、ヴァチカン写本(Vatican codex), Rossi 215,で、恐らく、1330年頃のパドヴァの曲集が収められているのでしょうが、29の作曲者不詳の曲を含み、その一つがすで…

毎月30日発行の MUSICA MUNDANAですが、2月は月末に発行することにしているのですが、うっかり3月になってしまいました。今年はうるう年で、1日余裕があると思ったのがいけなかったのかもしれませんね。バックナンバーを見てみますと、2005年も3月…

◆パドヴァのマルケットゥス◆

◆パドヴァのマルケットゥス◆ 今回は、音楽史ではパドヴァのマルケットゥス、数学史ではゲルベルト(後のシルベステル2世)という興味ある人物が登場していますが、ここで、パドヴァのマルケットゥスについて、少し詳しく見ていくことにします。 パドヴァの…

 ◆ゲルベルト(ジェルベール)◆

◆ゲルベルト(ジェルベール)◆ とは言っても、この時代は、まだ中世の前の世紀の精神によって支配されていました。「信仰が知性を打ち負かす」また「権威は研究の敵となった」「学者たちは教師に退化した」「学問は錬金術と占星術の泥沼の中に自らを失い、忠…

◆初期イタリアのポリフォニー◆

◆初期イタリアのポリフォニー◆ 全般にフランスのアルス・ノヴァ、特にマショーの影響がいつどのようにイタリアのポリフォニーに及んだのかということは、「謎めいた問題であるが、全く推測によらなければならないというものでもない。」といいます。14世紀…

2008年もはや1ヶ月が過ぎました。 早いものです。あと数日で節分、そして立春ですね。庭では、クロッカスが、芽吹いています。2月には花を咲かせるのではないでしょうか。というわけで、随想ではクロッカスを取り上げてみました。 では。

◆クロッカス◆

◆クロッカス◆ Crocus (複数: crocus, crocuses) : クロッカスは、多年性の花の1種で、中央及び南ヨーロッパの沿岸及びアルプス山麓地方(エーゲ海の島々も含む)、北アフリカ及び中東、中央アジア全域から中国西部にかけての広い地域を原産地とする。 サフ…

◆11世紀 - 宗教的政治的影響◆

◆11世紀 - 宗教的政治的影響◆ さて、今回から11世紀以降のヨーロッパに入ります。 紀元1000年紀の間、キリスト教が一般の人々にどれだけの影響を及ぼしていたのか言うことは困難です。歴史家たちは、以前考えられたほどには「千年の恐怖(terreur de l'an…

◆ミサの編集とマショーのミサ◆

◆ミサの編集とマショーのミサ◆ こうしたミサの編集は、アヴィニョンの教会音楽に人々が期待するように、非常に様式が保守的です。3つの声部すべてで多くの一音対一音の書法がみられ、上の一つあるいは二つのパートで装飾のあるところだけ一音対一音の書法で…

今日は、12月30日。2007年もいよいよ残すところあと僅か2日となってしまいました。 結局、何も変わることなく一年が過ぎてしまった感じですが、こんなことで本当にいいのでしょうか。来年こそは、何かを見いだしたいと思っている私でありました。 …

 ◆ロスヴィータ◆

◆ロスヴィータ◆ 数学史で取り上げたロスヴィータについてもう少し書いてみることにします。 ガンデルスハイムのロスヴィータ(Hrotsvit of Gandersheim)は、紀元935年から1000年までサクソニー(北ドイツの地域)に住んでいた。彼女の名前の綴りは、これ以外…

◆ロスヴィータ◆

◆ロスヴィータ◆ ロスヴィータ ザクセンのガンデルスハイム(Gandersheim)のベネディクト会修道院の学識ある尼僧ロスヴィータ(Hrotsvitha)の物語によって、この時期の不毛な数学の分野にある程度の光が投げかけられています。彼女はいくつか戯曲を書き、その中…

◆典礼の通常文◆

◆典礼の通常文◆ 典礼の通常文の進化は、ゆっくりとした過程でした。クレドは、11世紀の初めになってやっと一般的なミサの一部となりましたし、通常文の単旋律聖歌、そのテキストの作曲は(トロープスを除けば)、(教会)暦を通じて変えることはできず、そ…